2007年11月27日

電線の続く行き先へ

気がつけば、いつしか音楽を殆ど聴かなくなっていたので、最近ipodを購入した。それかは通勤や取材先に到着するまで、欠かさず聴くようになった。僕は気に入った歌手を何度も繰り返して聞いてしまうタイプ。最近では以前、仕事でご一緒させていただいた大貫妙子さんや、QURULIなどを聞いている。大貫さんの歌声は、なんと表現していいのだろうか?体の中に染み渡る、透き通った感じがすき。QURULIは街のスナップなどを撮るときに聞いたりすると面白い。今日は夜8時過ぎから「続・三丁目の夕日」という映画を見に行った。映画館に行くのは4年振りだった。一作目の三丁目の夕日は、ヨーロッパに向かう機内の中で見たんだけど、とても面白かったので続・三丁目の夕日も、絶対見たいと思っていた。大きなスクリーンの前に座り、会場が真っ暗になっていくあの感じが、たまらない。

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会社近くに聳え立つ鉄塔が気になっていた。以前、本屋さんで立ち読みした写真集には、鉄塔ばかりが映っていたのを思い出した。鉄の骨組みはたくましく、幼少の頃に見た機動戦士ガンダムを連想させてくれた。撮影をしている間は、ずっと空にカメラを向けていたせいか、ゴミを出しに来た主婦が不思議そうに空を見上げていた。

2007年11月17日

木曜日のおじちゃん

昨日、一昨日と、知り合いの日本人カメラマン(Uさん)の家にお世話になっていた。彼の家はカルガリーから西に一時間、ロッキー山脈の入り口にあって、大きな険しい山に囲まれている。見たこと聞いたこと、そして考えたことがあまりにも多すぎて、なにから話していいのか少々迷う。3歳半になる女の子(ヒーちゃん)がいるんだけど、通っている幼稚園が凄い環境にある。ボウリバーという大きな川が近くに流れ、その川沿いには山が連なって、木々が空に向かってそびえている。ヒーちゃんにとってはその環境は普通なんだろうけど、いずれ雪を踏みしめる音や川の流れる音、風が木々を通り抜ける音や氷の割れる音、例えばそんな音などが大人になったときに発想や表現力であったり、やさしさに変わっていく事は間違いない。

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Uさんと奥さん(Kさん)と3人でヒーちゃんを迎えに幼稚園に行ったあと、いつも散歩するというトレイルを一緒に歩いた。当然ながら、熊が出てくる可能性もあって、僕はずっと黙っていたけど、ちょっぴりビビって歩いていた。「あ、これはエルクの足跡だね。あ、これは鹿だ」とかって言うので、そのうち熊の足跡が出てきたらどうしようって思ってた。なんだか熊のような足跡があるから、「これはなんですか?」って雪に残った足跡を指差したら、「これは犬だね」って。

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ロッキーの天候はめまぐるしく変わり、晴れたり曇ったり、風が強くなったかと思えば、ピタリと止んだりした。散歩をするときにも天候を読み服装を考えたり、氷が雪に覆われて滑ってしまわないだろうか?とか熊がいるかも知れない、などと警戒することが沢山ある。自然と接するには、自分を守る手段を常に考えてなくてはいけない。ずっと昔は僕もそうしていたけど、東京に住み始めてからは、何かに警戒することなんてなくなった。あるとしたら、「こいつナイフでも持ってんじゃないか!」とか、「そろそろ終電が・・」みないなもんで、都会には頼るものが沢山あるのが、また問題なのかもしれない。Uさんファミリーと一緒に歩いたトレイル、僕はそんなことを考えていた。

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僕は水曜日にUさんのお宅にお邪魔したので、ヒーちゃんには「水曜日のおじちゃん」と名づけられた。僕は昔から、どんな人見知りの子供でも、僕に懐かなかった子はいない。ヒーちゃんは最初少し戸惑っていたけど、それもほんの僅かな時間だった。僕をプレイグランドまで誘い、一緒にチョコレート屋さんとかパンケーキ屋さんを飽きずに何度も遊んだ。子供といると発想の豊かさ驚かされる。僕はいつも遊んでもらうつもりで子供たちに接している。

Uさんには二十歳になろうとしている娘さん(チーちゃん)がいる。彼女は日本のテレビが大好きで、おばあちゃんから送ってきてもらっているダウンタウンのバラエティー番組を見ながら爆笑していた。ロッキー山脈で見た日本のバラエティー番組は、なにかいつもと違った。僕もいつの間にかTVに釘付けになり、チーちゃんと一緒に爆笑した。Uさんとは色んな話をした。話をしたっていっても、ほとんど僕の相談のようなものだった。仕事の話や世間話だったり、人生についても語った。寝る前に、彼のアイスホッケーの写真集見た。Uさんは、アイスホッケーの写真を撮らしたら、間違いなく日本では右に出る者はいない。彼の写真には、アイスホッケーというスポーツが恋人かのような気持ちが入っている。少年がスーパースターに憧れるような表現も見え隠れし、僕はページをめくる度に楽しんだ。

Uさんはベースメント(地下)に足の伸ばせる大きいバスタブを購入し、今お風呂作りをしている。全部自分で手がけているため、きっと完成したら格別な湯を楽しむのではないかと思う。「田舎に泊まろう」という番組を見たことがあるが、ただで泊まらせてもらう代わりに、なにか手伝いをしましょう!って、僕は2泊3日で3食付だったし、なにか恩返しがしたかった。そこでUさんと一緒にお風呂作りを手伝った。タイルにこびりついたコンクリートを削ったり、掃除機をかけたり、ペイントを落としたりした。手作りのお風呂だなんて、夢のあるお風呂だ。一泊で帰ろうと思っていたけど、「もう一泊していけば?」の一言に僕は甘えた。僕の名前も「水曜日のおじちゃん」から「木曜日のおじちゃん」に変わっていた。

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Uさんの奥さんは、ライターを職業にしている。ハワイで10年以上も、あるおじいちゃんサーファーを取材してきた。僕にはサーフィンの知識はない。でも話を聞いてとても興味をもった。「ビックウェーブに乗る為には波と話さなくてはいけないの。波に頼んで乗らせてもらうのよ」「とてもスピリチュアルなスポーツなのよ」と、そんなことが分かってくると、僕はどんどん話にはまっていった。夜10時過ぎから始まった話は、永遠3時間にも及んだ。その後はサーフィンと宇宙の関係の話しが出てきて、飛び火して宇宙人の話となり、最終的には宇宙人が地球上に沢山いるなんて話で盛り上がった。Uさんは9時半ころから所定のソファーで寝てしまった。こうして僕の2泊3日のロッキーの旅は終わった。僕の中に何が残ったかって聞かれたら、一杯の幸せ感と、生きていく為の力を、ロッキーの山々からもらった。帰り道、今まで何度も走った一直線の国道一号線。バックミラーに映し出される山の連なりは、オレンジ色の朝日に染まりながら、シルエットを消していった。

2007年11月11日

戦闘機

ソルトレイクでのスピードスケートW杯が終わった。今年で3年連続の取材になる、ソルトレイク・カルガリー。スピードスケートの魅力に、どんどんはまっていく自分がいる。とにかく限界まですっ飛ばすスピードスケート。トリノオリンピック前から各国で取材をしてきたので、今では気になる選手が多くいる。選手だけではなく、コーチも気になっている。リンクサイドから大声を出しているコーチは、選手のタイムを表示したり、アドバイスを出したりする。戦闘機のような速さで駆け抜ける選手には、アドバイスを聞き取れたとしても、ほんの僅かな一瞬に限られる。その一瞬にコーチは言葉を選び、体全体を使って選手に伝えようとする。

PKY07Y10_0815smal-time.jpg周回を重ねるうちに、じわりじわりと選手の限界が近づく。コーチが投げかけている言葉は、もうアドバイスというものではなく、ただの応援に変わって行る。「いけーっ!いけーっ!いけるぞーっ!それいけーっ!ハッ!ハッ!ハッ!ハッ!」。気持の中では完全に選手と走っている。この声こそが、選手のタイムを0.1秒、0.01秒でも縮める事になっている。

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フィギュアスケートを見たことのある人は多いと思うけど、多分殆どの人がスピードスケートを観戦したことはないだろう。戦闘機を思わせるような低いフォームで突っ走る選手たちは、最高にカッコいい!今週金曜日から始まるカルガリー大会が待ち遠しい。

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2007年11月10日

南里さんのスーパープレー

先週、写真集を手がけてくれた川田さん(以下カッちゃん)と飲んだ。時々終電がなくなり、カプセルホテルに泊まる羽目になったりするけど、今回は終電に間に合うように切り上げた。カッちゃんと飲んでいると、僕の中にたまっているモヤモヤが解消され、勇気が出てくる。彼の影響もあり、現在いろんな分野で写真を撮っている。スポーツをベースに、まだ知らない世界を沢山撮りたい。それに今まで旅をしながら写真を撮り続けてきた人物や風景にドキュメントと、得意な分野の幅を広げたいと思っている。今、アメリカのソルトレイクシティーに来ている。この後、カナダのカルガリーへと移動し、取材を続ける。東京を出発する前から決めていたことがあった。一日と短いけど、またロッキーへ行こうと思っている。東京で働くと言うことは、自然にストレスが体に住みついてしまう。ストレスを取り除き、充電をして帰国したいと思っている。

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娘が2歳4ヶ月となり、良く話すようになった。妻のお腹には5ヶ月の赤ちゃんがいる。予定日は4月。一度流産をしたから、今回は4ヶ月を過ぎるまで慎重になった。5ヶ月経ったけど、赤ちゃんは良い子にお腹に収まっている。人生を語るような年齢でもないけど、僕の幸せは、家族以上の存在は今のところない。最近は口癖になっている。日本を出てくる前に、Aventura Saitamaの試合をヤマちゃんと見に行った。収穫はボロボロのキーバーグローブを見つけたことと、監督でもあり選手でもある南里さんのスーパープレーを見れた事だった。

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P.S.
ベルギーのブリュッセルに、パティシエをしている日本人の友達がいる。彼から「最近ブログやってないね」と、メッセージが届いた。彼のそんな一言がずっと頭の中に残ってた。僕がブログに戻るきっかけを作ってくれた人だ。2002年に妻と2年ちょっとブリュッセルに住んだ時期に彼と出会った。彼は今年、ブリュッセルにケーキ屋さんを出店した。ベルギーと行ったらチョコレートだけど、彼はベルギー人にも負けない腕前を持っている。本場のチョコレートのコンテストで2位になった実績がある。日本でも高く評価され、スポンサーもついた。そのうちお店の詳細がわかったら、皆さんに紹介します。