2010年12月15日

『ボクも、川になって』

『ボクも、川になって』

さとみきくおさんが、『ボクは、なんにも ならない』に続いて、2作目の絵本が出来上がった。彼のオフィスに、度々お邪魔させてもらっている僕は、絵本の存在が気になり、制作中の絵本を、横目で覗き見していたのを思い出す。

今月2日、『ボクも、川になって』は本屋にならべられた。生物学者の福岡伸一さんが、「今年一番の絵本」と、帯に推薦文が書かれていた。水にまつわるお話し。楽しみにしていた物を手に取り、ページをめくり出す。文中には、水の絶え間ない冒険があり、僕の頭の中で、色々な世界へと道が開かれて行く。絵は、木の板に直接描かれていて、木目を活かし、森や大地、川や空を表現している。その色合いとタッチは、どこまでもみずみずしく、僕らの住む地球の呼吸さえも感じとれる。

さとみさんは幼いころに、どこかでミズナラの幹を水が流れる音を聞いたそうだ。その思い出が、この絵本の原動力ともなっている。僕も、いつか仕事で行った白神山地で、ミズナラの木の中を流れる水の音を聞いたことがある。さとみさんは、当時、耳をあててその音が聞こえたそうだけど、僕は備え付けの聴診器でやっと聞くことが出来た。でも、その音も、どんな音だったのかは、もう思い出すことは出来ない。

絵本の最後は、水が長い旅をして、川から海へとながれこむ所で終わる。5歳の娘が、もう少し大きくなってこの絵本を読んだら、「海にたどり着いた水は、それからどこに行っちゃうの?」という声が聞こえて来そうだった。こどもは勿論、大人も、水と一緒に冒険が出来る、そんな絵本があります。※ HP http://yomikikasebunko.jp/ehon/ehon01.html